■よくあるご質問への回答
すべてのご質問に対して、チーム・マネジメントの観点からお答えします。つまり、極端に言えば、院長さえ良ければいい…とか、今の若いスタッフはこうだから…と媚びたり、対処療法的な回答ではなく、組織として生産性が向上することを目標として回答させていただきます。さらにご質問があれば、お寄せ下さい。
このご質問には、いくつか異なるニュアンスが含まれていますので、意図別にお答えしたいと思います。
※なお、職務と個性(特に、役割分担と個性)については、■人材4タイプ<適材適所全タイプ比較>をご参照ください。
<1>職務別の最適個性について・・・
理想的なスタッフ像を、職務別に個性としてはっきりさせることで、採用基準を明確にしたいという考え方からのご質問の場合としてお答えします。この場合、同様に、「助手」「衛生士」「技工士」「歯科医師」に対しても行なわれるものです。
一口に「受付」といっても、受付というポジションの役割を挙げていくとかなりのものになります。それらすべての役割を完璧にこなせることが「受付の人材像」と考えるのは間違いです。なぜなら、様々な役割をすべてこなせる個性を求める勘違いが始まるからです。「院長に最適な個性は、○○です。」と言われても納得できないはずです。要は、職務別という枠は、意外に大きく、そこで安易にまとめてしまおうと考えない方がいいということです。<適材適所全タイプ比較>では、職務別に幾つかの役割分担事例を挙げて、個性との適性についてご提案していますので参考にして下さい。
職務別の最適個性についてまとめるとするならば、そのポジションで主にどんなことに力を発揮して欲しいかのイメージをはっきりさせることといえます。また、普段から、それぞれの職務がどんな役割を果たしているのかの整理と理解も必要でしょう。
☆現在、受付に有能な人材を配置の院長先生へ
まず、その人材のスキル分析と個性分析を行っておきましょう。理由は2つです。
一つは、「いつまでもいると思うな○○と人材!」という教訓的発想から考えると、採用面接時に、有能であった人材の個性と同様の個性を採用することをおすすめします。スキルが同じであっても、発揮のされ方が異なってくるのが個性です。逆に言えば、スキル教育は、人格教育よりも、目標が明確で達成しやすいといえます。
二つ目に、はた目には見事に難なく仕事をしているように見えていても、その人材にとって、どの役割が自分に向いて(個性にマッチして)いて、どの役割が無理して頑張って(スキルで克服して)くれているのかを把握することです。頑張る人ほどなかなか弱音を言わないものです。気がついたときには、ストレスで疲れきっていたりしないようにしてあげたいものです。
チームワークとは、互いの強みを活かし合うことです。不向きなことに歯を食いしばり過ぎる関係性は、いつか、限界がくるものです。
☆現在、受付に有能な人材を募集中の院長先生へ
経験者は、もちろん歓迎としても、経験の有る無しにかかわらず、<適材適所全タイプ比較>で、受付に求めたい役割から、面接時の個性の採用基準をお考えになってみてはいかがでしょうか。少なくとも、「付き合ってみなければわからない」ための互いの試用期間が有効に活かされる筈です。または、無駄な試用期間の経費を減らせるはずです。
<2>来院者に対する受付の最適個性について・・・
来院者への優しさや柔軟対応ということを優先に考えるならば、B(受容性)の高い個性を配置する方が、目標達成はし易いと言えます。つまり、ML型かTG型のスタッフでしょう。「医療機関であるから、来院者に優しく・柔軟であることを最優先するのは当たり前!」と口では言っていても、いざ、何か問題が発生すると、「何でもかんでも患者の言う通りばかりしていられない」とか「何故、キャンセルがこんなに多いのか!」と、院長の嘆くシーンが目に浮かんできます。他人への思いやりの強い個性とは、相手に安心感や懐の大きさを感じさせて余りあるのですが、ルールがなくなる恐れを同時に併せ持っています。TG型やML型の個性を受付に配置する場合は、来院者への優しさを指示する必要はありません。自分らしく関わっていけばいいからです。指示が必要なのは、ルールを守ることの徹底でしょう。その意味から、もし、マニュアルを作成するとしたら、このタイプへのマニュアルは、診療方針や診療の流れに基いた手順書でしょう。院長先生も同じML型だったりすると、同じように患者さんに合わせてしまって、ルールの無い(とても柔軟な・・・)医院との印象になるでしょう。
場合によって、ほとんどのスタッフがこのML型であったりするならば、受付くらいは、少々、受容性が少なかろうが、頑固なタイプであってもいいでしょう。来院者にも、院内にも目を光らせる、司令塔のような受付が必要だといえるでしょう(笑)。たとえば、「患者を待たせない医院にしよう!」という目標を立てたとします。しかし、この目標を実際に実現していくには、患者に優しく、他人に柔軟な個性だけでは達成されないのです。いつもニコニコしているだけでは推進できない。時にはアポイントに遅れて来た人に指導しなければならず、また、もたもたしている診療室内に発破をかける度量もいるわけです。何か言いたげにチェアサイドをうろつくだけの受付では、結局、患者を待たせてしまうことになる。そして、いつしか、みんながストレス状態になっていく・・・。そうならない受付の個性は、LM型かAN型でしょう。ML型の受付にこのような役割や権限を言い渡しても、恐らく、できない・・・でしょう。だって、つい、相手のことを思いやってしまうからです。悲しいことに・・・。
・・・ここでも、この個性でなければならない!という結論にはならないのです。どんな役割をさせたいのか。つまり、チームワークの中のポジションなのです。個性を活かす採用によって、チームが動き出すのです。関係性によって一人一人が変化し、喜びが自然と生み出されていくのです。
<3>診療チームに対する受付の最適個性について・・・
<2>の来院者に対する内容と同様に考えていただければ見えてくると思います。
ここでは、デジタルとアナログについて言及しておくことにします。5因子で言うところの「C:弁別性」が高いのがデジタル(論理的思考)、低いのがアナログ(感覚的思考)です。
結論から申し上げておくと、診療チームに対して有効な受付の個性としては、どのタイプであっても、デジタル型が望ましいといえるでしょう。いついかなる時も、合理的に分析的に状況判断し、冷静に行動しようとする傾向性は、医療チーム全体に必要であるといえます。「受付」という一見外に向いているポジションが、実は、来院者のために外に向いているからこそ、内の状況を把握する力が必要であることを理解できた受付が有能な人材になっていくのでしょう。患者にだけしか目が向いていない受付は、そのための受付でしょう。ダメということではない。ポジションの問題です。個人を否定することと混同してはならないでしょう。
だれがQB(クォーターバック)をするのか。それは、だれが、そのポジションに向いているのか・・・なのです。向いている人がやらなければ、だれでもやれるものではないのです。
<4>院長にとっての受付最適個性について・・・
「院長にとって」と言うときは、チームの人数が少ない時です。2、3名で診療所を運営している場合は、受付というより、秘書的存在でしょう。この場合は、院長の個性の補完個性が理想といえます。つまり、院長がLM型であれば受付はML型。院長がTG型であれば受付はAN型。院長がML型であれば受付はLM型。院長がAN型であれば受付はTG型。
よくあるケースは、面接時に自分(院長)と似ているから判りやすく、話しやすいからといって採用しておきながら、自分(院長)には苦手なことを受付だからといってやらせることです。同じ個性を採用したのであれば、自分が苦手なことは、相手も苦手であることをわかっていなければなりません。ハハハハぁ・・・そうだよねぇ〜・・・。といって笑い合える関係からスタートしてください。
<5>経営戦略からの受付最適個性について・・・
これから、開業。これから、再スタート。これから、新作戦開始。その時の受付は・・・。<適材適所全タイプ比較>の、「受付:改革期」を参考にして下さい。
ヘルスケア中心、ヘルスプロモーション積極医院、ビューティサロン風、訪問診療など、今後ますます経営戦略も多岐にわかれていくことが予測されます。カタチや手法が変わっていこうとしているのに、スタッフへの既成概念にとらわれ続けていては、タイミングを逃します。敢えて申し上げます。保険制度で護られてきた時代ではなくなっているのです。「次に辞めるのは誰か」を考えているチームか、「次に加わるのはどんな人材か」を考えているチームかの違いは、天地雲泥の差があります。
<6>スタッフの個性を活かす役割分担について・・・
医療チームであることから、個性を活かす役割分担と言っても、できることとできないことがあります。ここでは、例えば、「パートだから」とか「勤務してまだ1か月だから」とか「年齢的に一番上だから」とか「技術的にトップだから」ということから、特定のチーフをさせるさせないという判断をすると非効率になる場合があることを理解していただければと思います。役割分担とは、その役割に向いている人が担当するのが一番です。一人が何役もこなす医療チーム。また、いくつもの効率化のテーマを抱えながら、いつしか時間が過ぎていく毎日。いつ誰が病気になって欠けてもかまわないように(?)なのか、皆でローテーションを組んで、同じ事を時間別や曜日別でこなしているところもあるようです。当然、人によって出来不出来や効率が異なります。ある意味での責任も不明確なまま、なかなか改善案がでてきません。ローテーションは、すべての人が同じ業務を経験する意味はありますが、ずっと同じ体制のままでいいかどうか、判断する必要があるでしょう。治療や予防のためのスペシャリスト(オペレーター)を支える役割分担と、診療を運営するための役割分担とが同時に行われていることを整理し、特に、後者の運営のための役割分担には、この個性を活かしたチーフ制を考えてみてはいかがでしょうか。運営のための国家資格は、いまのところ誰も持っていないはずです。
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