ハリー・ポッターの映画に人気が集まっています。恐らく、本の中で出会ったハリーに、再び、そして、もっと間近かに会える気がするからでしょう。また会いたくなる人になれたら、その人はハリーかもしれません。また会いたくなる先生になれたら素敵ですね。その時はそっと教えてください、どんな呪文を唱えたのかを…。また、診療所がそんな魔法を教え合う学校であればもっと素敵ですね。
「ハリー・ポッター」は、イギリスの作家、J・K・ローリングが書いた物語の主人公です。少年ハリーが、不思議な魔法界を冒険しながら成長していく愛と勇気と友情のストーリーです。そして、彼もまた、魔法使いだったのです。
「映画を見るなら、本を読んでから…」と強く主張する人たちの気持ちがわかります。本を読むことで、ハリーの魔法をかけられるからです。きっと「魔法をかけられてから映画を見たほうが幸せになれる」のです。「マグル(普通の人)には、魔法界のワクワクした気持ちはわからないのだ!」とも言えるかもしれません。
私は、「ハリー・ポッター現象」は、「魔法界という新しい現実社会への帰属意識」ではないかと思うのです。けっして現実逃避ではなく、魅力ある新しい現実との出会いを求めていると思われてならないのです。そのドアを開けてくれたのがハリーなのです。ファンタジーは、現実に立ち向かうエネルギーとなります。
生活者の健康を思う気持ちとは裏腹に、念頭をよぎるキーワードが「差別化」「増患」「勝ち組」などと、およそ興ざめのする呪文であったなら、その人はマグルでしかないのかもしれません。旧世紀からの金縛り呪文を捨てませんか。ワクワクするような新しいキーワードを発する人に、人々は集まりたがっているのですから…。新しい21世紀も2年目を迎えます。何かが変わろうとして、結局、変わらない。何かを変えようとして、何故か、変えられない。その原因が、普段、使っている言葉にあるのではないかと思われてなりません。誰かが生み出したキーワードが「魔法の呪文」となって、多くの関係者を魅了してきたのは事実でしょう。しかし、その呪文がいつしか自らを金縛りにするものであったなら、はやくその呪縛を解くキーワードを見つける必要があります。
@差別化 A勝ち組・勝ち残る B患者が減る・増患 Cサービス業・接客 D患者満足
マーケティング的な発想から医療経営に持ち込まれた言葉は、一理はあっても、全ての医療行為の本質を貫けない限り、「取扱注意」と心得るべきでしょう。他医院との差別化を考えるあまり、自医院が他医院に無いものの寄せ集めになったり、自らを見失うことになっては本末転倒です。
また、勝ち負けの論理は、それがもし、他医院と比較しての勝ちを意識するとしたら、他医院が負けることによって得られる勝利ともいえます。現在の社会の混沌と疲労は、これの繰り返しが原因だと思われます。
勝てばいいのではなく、より高度になっていく。勝ち負けがあるとしたら、自らの目標やイメージに対しての決着なのではないでしょうか。他者との競争によって得られる「ナンバーワン」ではなく、“自分ならでは”を実現する「オンリーワン」を目指したいものです。なぜなら、ナンバー1は、いずれナンバー2とナンバー3の合併によって、いとも簡単にその座から引きずり下ろされるからです。
時代の欲求は、明らかにヘルスケアに向かっています。その主体者は、従来「患者」と呼ばれる人たちです。あらゆる保険制度に守られて安心させられていた生活者は、今後、自分らしい自分なりの幸せ像を描いていかなければなりません。むしろそれが本来の自立の条件でしょう。ヘルスプロモーションをめざすには、サービスや接客という寛容的な心地よさだけでなく、指導的な教育や対話による感化が必要となるでしょう。
その場しのぎでなく、将来にわたって影響を与え続けるには、心に残る感動が不可欠です。「満足は技術によって与えることができる。これからは、満足と感動を与える医療をめざしたい。」とは、ある先生の言葉ですが、地域の生活者との関係性をどのように思い描くのかが、キーワード発想の分れ道かもしれません。
それぞれの先生方が思い描く新世紀のドラマづくり。どんなブレーンと共に構想を広げますか。どんなスタッフと共に実現しますか。中心者の念頭に掲げられるキーワードが、ドラマの方向性を決定し、すべてのメンバーの志向性を左右します。
是非、先生自身が感動する新しい呪文を見つけてください。スタッフも来院者も感動させずにはおかないぐらいの気迫のこもった合言葉を創ってください。漠然と考えても言葉は出てこないものです。一人一人の笑顔を思い浮かべることができれば、自然と浮かんでくるはずです。
差別化するなら、「やる気の差別化」を実現したい。
環境が厳しくなればなるほど、スタッフのやる気は逆転勝利への前提条件であり、先行きが不安であればあるほど、スタッフとの信頼関係は目的達成のための最重要課題であるといえる。その意味から差別化を考えるならば、“人材の差別化”を目標にすることこそ、経営の安定をもたらす最短コースであり最適プランである。患者教育をも含めて、“教育することを決意する”ことから全てを発想していくことを提案したい。
私たちは、スタッフの個性に着目した採用と教育支援を、診療所単位で実践的に繰り返しています。採用時の判断材料として、また、スタッフ教育を効果的に実践するために、私たちのアウトプットやディレクションを活用し、スタッフの元気はもちろん、チームが健全化し来院者が増加する診療所へとバージョンアップしているのを嬉しく思います。私たちの採用している人事プログラムは、FFS理論(最適組織編成のための個性分析と組織編成法:小林惠智博士)です。すでに米軍の組織編成において実用化され、わが国の一般企業の人事においても組織編成のためのプログラムとしては最先端のものとして活用されています。
※参考文献:「入門チームマネジメント」監修/小林惠智 PHP研究所
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜