日本歯科企業協議会第36回年次総会が6月14日に東京のホテルグランドパレスに於いて開催され、記念講演会で、康本歯科クリニック院長の康本征史先生が「歯科を超えた領域の可能性」と題し講演された。
康本先生は、現在の歯科領域イコール歯科治療であるとし、予防歯科への移行、少子高齢時代に於いて現状から将来を予測すると、歯科医院は現在の歯科領域では生き残れない、矯正、審美、インプラント治療はもとより、予防歯科への取り組み、歯科衛生士の活用、在宅介護、内科的検査業務、予防用品の販売などに合わせて歯科医院でどのようなサービスが提供できるか?現在は予測できないが、新たなサービスを構築し来院者を増やさなければならないという。
いかがでしょう?
以下に講演の概要をまとめてみました。
歯科のインフラ

なぜ歯科の領域を越える必要があるのか
現状
67000軒の歯科医院(10年間で1万件増、今後は減少)
9万人の歯科医師
8万人の歯科衛生士
3万5000人の歯科技工士
15万人の歯科助手
トータル35万人のマンパワー
歯科医院の収益構造はこのままで行くと・・・ (平均収入4千万から3,500万へ減収)
ここ10年間で歯科医療関係者が2万人以上、歯科医院1万件以上増えているいるにもかかわらず
保険治療費はこの10年間,年2兆5000億程度で推移している(保険改正でコントロールされている)
自費診療5000億
医療費トータルマーケットサイズ3兆円(今後も総額は変わらない?)
歯科器材市場のマーケットサイズは3100億±50億で推移(トータルサイズの10%で推移)
問題点 今後も歯科医師が増えつづけるとしたら歯科医師は供給過剰となる。ほんとに歯科医師は多いのでしょうか。
制度の方向性
医療費削減 ・ 歯科医院数を減らす ・ オンライン化
出来高維持しながら総額キャップ制を達成(予想される増加分だけ診療報酬を下げる、10年間に1万件増えているにもかかわらず、保険点数を触ることで総額は変わっていない)
保険診療だけでは医院を成長させることは困難でありその対策が自由診療になっているが対応できていない。(自費率全国10%を切る・・・一般的に10人に一人ブランド物を持っているとしたら、歯科治療では一人もいないことになる)
外部環境
・国の方向性
予防(健康日本21・健康増進法・医療制度改革)
保険改正(証拠主義・人的基準・縮小傾向)
・国民の視点
健康観の高まり・生活習慣病予防・定年後の夢追い
(健康にお金をかけたい、しかし医療にはかけたくない)
・その他
若年層の激減により、スタッフが確保できない(派遣など一般時給1000円超になっている)
歯科衛生士、歯科技工士の不足
人口1億2千700万人をピークに下向
団塊の世代・超高齢社会
望まれる診療空間とは
高齢者は自分のためにはお金を使う
オーバーホール・メンテナンスにはどのようなところへ行くのか
歯科医療=治療だけを目的としたところへは行かない
今後は治療しやすい環境では通用しなくなる
歯科治療そのものは近い将来歯科医院の持つ機能のほんの一部になるだろう
内部環境
歯科医院の広さ
東京ではユニット2台の開業が行われているが発展性が無く将来性が疑問視される
レーザーなど最新設備の導入
設備状況
デジタルカメラ・CCD 有62,3% 無37,7%
レーザー 有26,6% 無73,4%
レセコン 有75,8% 無24,2%
ホームページ開設 有25,0% 無75%
デジタルパノラマ 有11,3% 無88,7%
口腔内写真 有55,2% 無44,8%
治療計画書作成 している76,5% していない23,5
感染対策の実施
消毒器利用状況
オートクレーブ 71,4%
ケミクレーブ 9,5%
小計 80,9%
煮沸7,8%・乾熱4,1%・薬液5,9%
キュアーゾーン・ケアーゾーンの区別
スタッフマンパワー
歯科衛生士の確保、教育、トリートメントコーディネーターとしての育成
栄養士、臨床検査技師など異職種との連携
一定の顧客を確保しメンテナンスを行う。
歯科医師の分析(10年で一人前 歯科は実際に臨床経験を積んで研鑽するしかない。)
得意分野の技術向上
コミュニケーション技術
経営への理解(損益分岐点などのマネージメント)
スタッフへの指導力
社会性の向上
患者分析
医院の目指す方向性にあった患者さんが来院していますか
年齢層やシェアーについて。10年後の受診者像を想定
国民10万人に対して歯科医師85人(1医院あたり1日平均17人)
最適環境は国民10万人に対して歯科医師50人(1医院あたり1日平均28人)
診療報酬月20万点、1日1万点、1人500点、1日20人、1時間3〜4人
海外では1日10人、1時間1人
子供が医院に来る仕組みづくりを乳幼児医療費助成を受ける
東京都では現状小学3年〜15歳まで(区による)拡大している。(イギリスでは19歳)
医療でない方向性も検討の余地あり 女性を呼び込むには
医療は安心(=人がいて安心)があって安全=安心は人の数
康本歯科クリニックでは
デンタルケアーアドバイザー (歯科用品は説明商品)
トリートメントコーディネーター(コンシェルジュ)
歯科臨床検査技師(インフェクションコントロール)一人ひとりのデーターを採る
歯科栄養士 (歯科チームとして対応し、何を食べられるかアセスメントを行う)を育成し
保険改定に振り回されないヘルスプロモーション型予防歯科医院を目ざしている






