9月8日、白水ファミリーストアー総会が開催され、熊谷崇先生に「魅力的な歯科界の再建」と題し、
企業、商店向けにご講演をいただき、感銘を受けたのでここに紹介させていただきます。
「魅力的な歯科界の再建」
「なぜ、目本の歯科医療は混迷しているのか」
医療法人杜団目吉歯科診療所 理事長 熊谷 崇
今、日本の歯科界は混迷した状況下にある。
多くの歯科医療機関は、その生き残りに右往左往している。
年収300万以下の歯科医師がもはや少数ではなくなった。
こうした歯科医療界の混迷の原因を、歯科医師の増加や歯科医療費削減を断行した歯科医療政策と考えている人も多い。
若い歯科医師や歯学部の学生たちは、自分たちの未来に不安を抱えながら過ごしているのが現状だ。そして、そのような歯科医療を取り巻く業界にも当然のことながら先行きに暗雲を感じている人が多い。
しかし、目本の歯科医療がこのような状況になったのは、単純に歯科医師の増加や歯科医療費の削減だけが原因なのだろうか? 私は、この現状が生まれた背景には、もっと大きな間題が潜んでいると感じている。つまり、これまで私たちが何の疑いもなく行ってきた歯科医療そのものの考え方に間題があったのではないかということである。
これまで行ってきた歯科医療は、本当に多くの人々の口腔の健康に寄与していたのだろうか。
歯科治療を繰り返しても、結果的に多くのお年寄りが無歯顎となっている現実を真正面から受け止める必要がある。これまでの歯科医療には、目の前の齲蝕や歯周病をどう治療するかという狭い視野しか持ち合わせておらず、歯科医療を行うことの本当の目標を考えることをしてこなかった。
バイオフィルム感染症であり多因子性の慢性疾患でもある齲蝕や歯周病に対してつめるかぶせる抜くだけを繰り返すやりっ放しの治療は、病気を根絶する力にはなり得なかったことを重く受け止めて、歯科医療が本来持ち合わせているはずの公益性を杜会に示すことが必要ではないかと考えている。
経済界では、これまで利益追求が是とされてきた。多額の利益を上げたものが能力あるものともてはやされてきた。しかし、今は、已の利益だけを追求するだけでは、企業として生き残れない時代になってきている。それは時代の変化とともに、企業の杜会的責任(CSR)が間われ始めているからだ。
歯科医療機関も例外ではなく、歯科医療を支える各企業もまた例外ではない。いわぱ、医療や企業がめざすそれぞれの理念に、杜会的責任や公益性を明確にすることが求められている。
そして、そのような姿勢が認められた時にはじめて、正当な歯科医療の価値もまた認めてもらえる時代がやってくると考えている。 (熊谷 崇先生講演内容趣旨より)






