先般のご質問の中で「技工業界の展望、将来性に関して」には触れていなかったので、ここで技工だけではなく歯科業界全体として考えてみましょう。
以前、「歯科を越えた領域の可能性」と題し書かせていただきました、康本征史先生の話でも明確ですが、現状に於いて歯科の領域は減少し、今後人口の減少に伴い益々パイが縮小しています。
つまり、歯科界の中では、誰もが今までと同じことをしていては確実に衰退していくということです。

従来、歯科は基本的には受注産業です。
歯科医院では、生活者が何らかの主訴を持ち患者として来院し、治療を行う。
治療内容は幅広く一人一人に時間がかかる。
技工所では、歯科医院から指示を受けて技工物を制作する。
技工は一人一人のオーダーメイドで相互に共用性・互換性がなく、大量生産というわけにはいかない。
また、指定事項が極めて多く品質を一定にする事が難しい。
商工業者は、歯科医院、技工所から必要なものを受注し納品する。
扱い品目は10万種を超え、個々の発注ロットが小さく、配送の期日も限られている。
・・・など、つまり相手からの依頼を受けてからはじめて仕事に成る、受注体質が一般的で、典型的な受注産業となっています。
ご承知のとおり、受注産業の枠の中にいる限り、買い手主導で周りの環境に左右されます。
社会構造の変化として人口減少のほかに、団塊の世代による2007年問題があります。
団塊の世代に支払われる退職金によって一大消費市場が発生、金融資産運用が拡大するといわれています。
しかし、生活者は「健康にはお金をかけたいが、医療にはかけたくない」ということが意識調査で明らかになっています。
生活者が歯科医院を受診する年間の受診率は僅か17%位です。
この受診率はここ何年も大きく変化していません。
この17%の受診率を小生は「それぞの方の我慢の限界」と考えます。
つまり、少しでも痛くなったらすぐに歯医者さんへ行く方、そのうち行くつもりで我慢をしていて、我慢しきれなくなってから行く人・・・。案外後者の人のほうが多いのです。
皆さんはそんな経験ありませんか?
早く受診すれば、痛くないのに、痛くなってからいくので、歯医者さんは痛いという間違った自己学習をしてしまい、次に悪くなってっもなかなかいかない。
生活者が早期に受診し、受診率を上げることで歯科医院も、技工所も、商工業業者も、何より生活者が健康というかけがえの無い恩恵を手に入れることができます。
残存歯数が多い人ほど医療費が少ないという調査結果を見ても、トータルで医療費が削減されWin+Winになると考えられます。
これからは、「生活者が健康のために、歯科にお金をかけたくなる」ような社会環境をつくる"創注産業"の時代と考えます。
それぞれのビジョンを明確にし、患者さんではなく、患者さんを含んだ生活者のニーズに応えていくことが必要といえます。
そのためには、まず情報の共有化が必要です。
スタッフ、来院者との情報を如何に共有し来院者のニーズを引き出し、満足してもらえるか。
来院者の満足、喜びがスタッフの喜び、満足となり、モチベーションアップにつながります。
情報の共有化にはいろいろな手法がありますが、作業になっては今以上に仕事が増えてスタッフの反発をかうことになりかねません。
押し付けでなく共有化すること事体が楽しみとなるように工夫が必要です。
歯科医院には、簡単に取り組め、モチベーションUPにつながる「劇団」プロジェクトをお薦めします。

今、ビジョンを明確にし3年5年先と未来に向けて活動を革新していく時期にあります。
それは何も新しいことではないかもしれません、整理整頓やあたりまえのこと、今までやら無くても良かったことから、気が付いたことから始められてはいかがでしょう。
考え方が変わると、行動が変わる、行動が変われば結果が変わる。
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